無職でも消費者金融や銀行からのお金の借り方はあるの?
ATMを利用すれば限度額の範囲で何度でも便利なお金の借り方ができるのが、消費者金融や銀行のカードローンですよね。ただし総量規制という法律があるため、無職の方だと消費者金融からキャッシングすることは基本的にできません。
総量規制とは、平成22年6月18日から実施されている新しい規則であり、貸金業者からの借入総額が年収の3分の1を超える場合は新規借入れができないという貸金業法上の規制のことです。
無職の場合には年収が0円となるため、貸金業法に基づき融資している消費者金融で融資可能となる金額は0円となってしまいます。(参考:金融庁「貸金業法のキホン」)
銀行のカードローンについては、銀行法に基づき融資をしているため総量規制の対象外となっています。ただし銀行でも過剰融資についての批判を受け、2017年より国内の三大メガ銀行や秋田銀行、七十七銀行、百五銀行などの地方銀行でも自主的に総量規制を導入する流れになってきているのです。(参考:日本経済新聞「3メガ銀、カードローンに自主上限 過剰融資批判受け」)
加えて、銀行の審査基準は消費者金融よりも厳しいと言われているため、無職の方が銀行のローンからお金を借りるのは難しい状況にあると言えるでしょう。基本的には、無職だと消費者金融や銀行からの借り方は利用ができないということになります。
実は無職でもカードローンでお金を借りる方法はいくつかある
多くの金融機関で過剰融資を自主的に規制する流れがある中で、無職の人が何もしないで希望のカードローンからお金を借りることは基本的に難しい状況にあります。ただし100%大丈夫とは言い切れませんが、いくつかの方法を使えば、カードローンからのお金の借り方が利用できる可能性はあるのです。
以下では無職の方全般、専業主婦、年金受給者のお金の借り方について解説しています。
無職が消費者金融や銀行カードローンからお金を借りる方法
- 今からでもパートやアルバイト・契約社員の仕事を始める、派遣の登録をする
- 専業主婦ならば配偶者貸付を利用する
- 年金受給者でも融資してくれる銀行カードローンで借りる
今からでもパートやアルバイト・契約社員で仕事を始める、派遣の登録をする
たとえ現在は無職であっても、これからパートやアルバイト・契約社員で仕事を始めるという方法もあります。派遣の登録をしておくのも良いかも知れません。学生や学校卒業後に就職が決まらない方、主婦、失業中の方など無職の方全般におすすめの方法と言えます。
キャッシングを利用する時に必ず行われるのが審査ですが、最終段階では職場に在籍確認の電話がかかってきます。無職だと申し込みの際に嘘の勤務先を申告するしかありません。
在籍確認とは、本当に申告した勤務先で働いているのか確認するために職場にキャッシング会社から電話が来ることを言うのですが、嘘の勤務先を申告しても在籍確認を取ることはできません。最終的に嘘がバレるだけでなく審査に通ることもできないため、お金を借りることは不可となります。
実際にアルバイトやパートを始めていれば、在籍確認の電話がかかってきても勤務している事実が確認されます。本当に仕事を始めるのであれば、借りたお金の返済も安心ですね。ただし、本当に申告した職場で働いている場合でも、6ヶ月ほどの勤務年数は最低限必要と言えます。
失業中なら公的機関の給付や融資制度の利用も可能
最近まで会社員として働いていて、今は失業により無職になっているという方は、公的機関の給付制度や融資制度を利用することが可能です。失業保険を受給するだけでは生活費が足りないということもあるでしょう。
次の就職先が決まるまでのつなぎ資金を工面したい場合にも利用できる制度があるのです。
失業中の方が利用できる公的制度
- 職業訓練受講給付金
- 生活福祉資金貸付制度
職業訓練受講給付金
在職中に雇用保険に加入していなかった(加入期間の不足も含む)、失業保険の受給期間が終了した、自営業を廃業した、就職が決まらないまま学校を卒業したなどに該当すれば、ハローワークで求職活動中の方は職業訓練受講手当を受給することが可能です。(参考:厚生労働省「職業訓練受講給付金(求職者支援制度)」)
支給額は月額10万円であり、別途で通所手当(職業訓練実施機関までの交通費・上限あり)や寄宿手当(月額10,700円・ハローワークが必要性を認めた場合に限る)の支給も可能です。職業訓練受講給付金の受給には、本人以外の世帯全体の収入制限もあり、希望する職業訓練の科目がない場合もありますので、詳しくはハローワークに問い合わせてみると良いでしょう。
生活福祉資金貸付制度
無職の場合には、基本的に金融機関からのお金の借り方は利用ができないため、公的融資制度を利用するしかないでしょう。就職先が決まらず働けないなどの理由で生活費などが不足し困っている場合には、低所得者、障害者世帯、高齢者世帯を対象に融資をしている生活福祉資金貸付制度の利用がおすすめです。(参考:厚生労働省「生活福祉資金制度の制度概要【講義A」)
必要な資金をどこからも借りることができない方で住民税非課税世帯であれば、生活費や住宅入居費、子どもの教育費などの借入れが可能です。保証人がいれば無利息でお金が借りれますし、保証人不要で年1.5%の低金利により借入れすることも可能です。返済については2ヶ月〜6ヶ月の据置期間もあるので安心ですよね。
詳しくは、都道府県社会福祉協議会に問い合わせしてみてください。
専業主婦ならば配偶者貸付を利用する
専業主婦も立派な職業ではありますが、キャッシング会社にとっては「無職」という扱いになってしまいます。働いていないため収入は0円であり、総量規制の規則により借入可能となる金額も0円となります。
ただし、総量規制の例外貸付けである「配偶者貸付」を利用すれば、配偶者と併せた年収の3分の1以下の借入れが可能です。(参考:日本貸金業協会「総量規制とは」)
配偶者貸付という制度を利用すれば、無職である専業主婦も消費者金融からのお金の借り方が可能になっています。ただし、申し込みに必要な書類の用意が最低条件となるのです。配偶者の同意書や婚姻関係を示す書類が必要であり、一定額を超える利用をする場合には、配偶者の年収を証明する書類も用意します。
配偶者貸付けは旦那さんに内緒でお金を借りたいという方には向いていない貸付けと言えますが、専業主婦が生活費の不足などで消費者金融からお金を借りる場合の唯一の方法となるのです。
アコムなど大手消費者金融では配偶者貸付が利用できない
専業主婦でも旦那さんの収入があれば、配偶者貸付の制度を利用して一定額までの借入れが可能になっています。ただし残念ながらアコムやアイフルなど大手の消費者金融では、総量規制の例外貸付は利用不可です。
配偶者貸付の取扱いは、必要書類が多い上に融資額が少なく利息による多くの利益が見込めないことから、多くの利用者の獲得が容易にできる大手にとってメリットが少ないということでしょう。
大手のキャッシングサービスでは利用不可ですが、いくつかの中堅消費者金融では配偶者貸付による融資を行っています。
配偶者貸付が利用できる中堅消費者金融
- レディースフタバ
- アスカキャッシング
- キャネット(→キャネットでお金を借りる方法を詳しく説明している記事)
- ベルーナノーティス
銀行カードローンであれば専業主婦も借入れ可能
大手銀行や一部の地方銀行では総量規制の自主的な導入が進んでいるため、無職として扱われる専業主婦の借入れについても厳しい状況となっています。
総量規制の対象外である銀行であれば、無収入の専業主婦でもキャッシングできるという時代は終わりに近づいていますが、いまだに専業主婦も利用可能となっている銀行カードローンがあるのも事実です。総量規制を自主的に導入している大手銀行以外のカードローンを利用する場合には、事前に問い合わせしてみると良いでしょう。
年金受給者でも融資してくれる銀行カードローンで借りる
無職の方が年金受給者である場合には、年金の受給を収入とみなしてくれるカードローンからのお金の借り方もあります。
消費者金融については大手を中心に収入が年金のみである方の融資が難しくなっています。ただし、年金収入に加えてアルバイトの給料などがある65歳未満の方であれば、大手でも総量規制で決められている通りに年収の3分の1以下までキャッシングが可能です。
収入が年金だけの方がお金を借りるのであれば、銀行カードローンの方がおすすめとなります。大手銀行であっても、受給している年金を収入とみなしてくれる場合が多いようです。
銀行以外でも、全国の信用金庫では「シルバーきゃっする」など年金受給者専用のカードローンを用意しています。銀行と同じような低金利で借入れができるので、年金受給者ならではのお金の借り方を希望する場合には、お近くの信用金庫に対象となる年齢や金利について問い合わせしてみると良いでしょう。
銀行カードローンから年金受給者の方がお金を借りる場合、融資対象となる年齢の確認が必要となります。
年金受給者でも借りれる銀行カードローンと対象年齢の一例
- 三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」:20歳以上65歳未満
- みずほ銀行カードローン:20歳以上66歳未満
- りそな銀行「クイックカードローン」:20歳以上66歳未満
- じぶん銀行カードローン「じぶんローン」:20歳以上70歳未満
- 水戸信用金庫「シルバーきゃっする」(全国の信用金庫の年金受給者専用ローン):60歳以上69歳以下(水戸信金の場合)
無職の年金受給者でも年金担保融資制度が利用可能
収入が年金のみの方のお金の借り方として、金融機関を利用する以外に国の公的融資も選択肢に入れておくと良いでしょう。独立行政法人福祉医療機構(WAM)が取扱いをしている年金担保融資は、国民年金、厚生年金保険または労働者災害補償保険の年金を担保として融資しています。年金を担保とする融資では法律で認められている国の唯一の制度となっているのです。(参考:年金担保融資のごあんない(平成29年度版))
年金担保融資制度では、保健・医療、介護・福祉、住宅改修等、冠婚葬祭、生活必需物品の購入などの支出で一時的に必要な小口の資金を借りることができます。借入れ可能な金額は、以下の3つの条件を満たす範囲となるのです。
年金受給者でも借りれる銀行カードローンと対象年齢の一例
- 10万円〜200万円の範囲内(1万円単位、資金使途が生活必需品を購入する場合は10万円〜80万円以内)
- 受給している年額の年金に対して0.8倍以内
- 1回あたりの定額返済額の15倍以内
利用可能額は最大でも200万円となっていますが、受給している年金の年額に対して0.8倍以内という制限もあるのです。更には毎月の返済額の15倍以内である必要があり、最長2年6ヶ月で返済することになります。
金利については、年金担保融資であれば年1.9%、労災年金担保融資ならば年1.2%(平成29年4月1日現在)と低金利であるため、年金受給中の方は金融機関からお金を借りるのであれば、まず初めに公的融資の年金担保融資制度を利用した方が良いでしょう。
ただし、公的融資は申し込みから融資まで時間がかかるというデメリットもあるため、お急ぎであれば年金受給者も利用可能な銀行カードローンがおすすめです。
65歳以上の高齢者には公的融資の生活福祉資金融資制度もある
65歳以上の高齢者で無職の場合には公的融資の「生活福祉資金融資制度」を利用するお金の借り方もあります。金利は1.5%という低金利になっていますが、保証人があれば無利子で借入れすることも可能です。
介護に要する資金や緊急に必要となる現金(緊急小口資金として最大10万円)などの貸付けの他、不動産を担保とした融資(利子あり)も利用できます。全国社会福祉協議会が実施している貸付制度ですが、各都道府県に窓口がありますので問合せしてみてください。(参考:都道府県・指定都市社会福祉協議会ホームページ)
クレジットカードのキャッシング枠を利用してお金を借りる
無職だと銀行や消費者金融でカードローンからのお金の借り方を選択することができない場合でも、クレジットカードを持っていればキャッシングできる場合もあります。
無職になる前に、キャッシング利用枠の付与されたクレジットカードをクレジットカード会社や信販会社、銀行などから発行してもらっている場合には、利用限度額を超えない範囲でATMからお金を借りることも可能です。既に発行されているカードであれば、キャッシング利用時に申し込みや審査を受ける必要はありません。
ただし利用枠いっぱいまでキャッシングしたい場合には、買い物にクレジットカードを使い過ぎないことがポイントとなってきます。キャッシング枠はショッピング枠に含まれているというのが理由となりますが、例えばショッピング枠が30万円、キャッシング枠が10万円である場合について説明します。
買い物の際にクレジットカードで25万円の支払いをした場合、キャッシングできる金額は5万円になってしまうのです。反対に5万円をキャッシングした場合には、ショッピングで利用できる限度額は25万円ということになります。
キャッシング枠の10万円を満額使いたい場合には、ショッピング枠の利用は最大でも20万円に抑える必要があるのです。