資金不足の解消で会社に頼る時のお金の借り方
急な出費でお金が必要という時に頼る場所にはいくつもの選択肢がある中で、勤務先の会社しか頼れる場所がない時にはどうしたら良いのでしょうか。
勤務先の社長とである程度の信頼関係ができていれば、会社からではなく社長のポケットマネーからお金を貸してくれるかも知れません。ただし多くの場合で、社長個人からのお金の借り方は期待できないでしょう。個人ではなく、会社からお金を借りることを考える方が一般的なお金の借り方と言えますよね。
例えば、このような理由でお金が必要になった時には、会社からお金が借りれる可能性があります。
- 身内の不幸で帰省や香典などでお金が必要
- 急病や突然のケガ・出産などで入院費が必要
- 地震や火災などの災害が起こり被災した
- 空き巣や強盗に遭った
緊急性の高い事態となった場合には、2つのお金の借り方が利用可能です。
- 給料の前借り
- 従業員貸付金制度の利用
給料の前借りを利用するお金の借り方
労働基準法第25条(参考:よくわかる!労働基準法「第25条 非常時払」)では労働者の給料の前借りについて、緊急性の高い一定の理由がある場合には会社側はその求めに応じる必要があるとしています。
労働者本人やその扶養親族などに出産・病気・災害・冠婚葬祭などの緊急性の高い事態が発生した場合、既に働いた賃金に相当する金額を前借りすることが可能となっているのです。
ただし、それ以外の理由である場合はいくら既に働いた給料分であったとしても、会社側が必ずしも前借りの請求に応じなくてはならないという義務はなく、その判断は会社側に判断に委ねられるということになります。
給料の前借りで借りたお金の返済方法
既に働いた分の給料を前借りした場合、返済方法はどのようになるのでしょうか。最も考えられる返済方法と言えば、「給料からの天引き」があると思いますが、これは実は労働基準法17条(参考:なるほど労働基準法「賃金と借金の相殺の禁止」)にある「前借金相殺の禁止」に違反することになるのです。
そのため、労働者の同意がないのに返済額を給料から相殺することはできないことになっています。ただし、このようなことは後から言った言わないのトラブルの原因となるため、例え自分が既に働いた給料の前借りであっても、借用書を作っておくことがおすすめとなるのです。
借用書で借り入れた金額や借りた日時、借主と貸主の指名、返済方法や返済期限について明記しておくことで、不当に返済金を給料から天引きされるという心配もなくなります。
一部の企業では「前給制度」を導入している
地方銀行のきらぼし銀行(旧東京都民銀行)では、「前給制度」というサービスを実施しています。この場合でも既に働いた分に相当する金額が借り入れの上限となり、かつ勤務先がこの制度を採用している必要があります。(参考:きらぼし銀行「前給」)
近頃ではこのようなサービスは人材派遣会社や飲食業界、運送会社、介護業界、その他にも多くの業界で採用していますし、パートやアルバイトであっても制度の利用は可能となっているため、このような制度がある所を選んで働くということもあるでしょう。
従業員貸付金制度を利用するお金の借り方
本人や家族の出産や進学、病気・怪我、不幸などで突然お金が必要になった時、給料の前借りの他にも会社に頼るお金の借り方があるんです。
どんな方でも利用できるとは言えませんが、勤務先に「従業員貸付金制度」があれば一定の条件を満たすことで突然必要となったお金を借りれる場合もあります。(参考:カードローンLABO「会社からお金を借りれるってホント?社内貸付金制度のデメリットは?」)
従業員貸付金制度を利用したい時に確認するべきことは以下の通りです。
- 従業員貸付金制度が勤務先に存在しているか
- いくらまで借りれるのか
- 利用できる資金使途の内容
- 金利や返済方法について
従業員貸付金制度が勤務先に存在しているか
比較的大きな企業だと、従業員貸付金制度が存在している可能性は高いです。小規模な会社に勤務している場合には人事や総務の担当者に聞いてみるしかないでしょう。
従業員貸付金制度が存在している場合であっても勤続年数などの一定の利用条件がある場合もあるため、併せて確認する必要があります。
いくらまで借りれるのか
従業員が会社からお金を借りれる制度が用意されているとしても、借りれる金額が必要な資金を全額カバーできるかという心配もあるでしょう。
一般的には勤続年収や役職などによって可能となる借入限度額が違っているようなので、事前に金額を確認して不足するようならば他の借り入れの場所や手段を考える必要があります。(参考:カードローン攻略編集部「会社からお金を借りられる『社内貸付制度』とは 〜勤続5年の正社員だったら、借入可能〜」)
利用できる資金使途の内容
基本的には、緊急事態において必要な資金の借り入れで利用できるのが従業員貸付金制度となるのですが、具体的な資金使途が実際の利用の理由に該当しているかを確認する必要もあるでしょう。
勤務先のこの制度の資金使途と利用の目的が一致しない場合には、給料日までの一時的な借入れとして即日融資も可能となる大手の消費者金融でキャッシングを利用するという選択肢もあります。
例えば消費者金融から10万円を金利18%で30日間借りても利息は1,479円と少額ですので、会社の制度と併せて考えておくと良いかも知れません。30日間無利息でキャッシングすることが可能になっている大手のサービス(参考:アコム「30日間金利0円サービス」)もありますので、借りてすぐに返すのであれば利息0円となり、お得です。
金利や返済方法
会社からの借り入れであっても金利が発生する場合があります。無金利での貸付けは贈与として判断される場合があり、税務署で金利を取るよう指導しているからです。会社からの借金であれば、低金利である場合も多いでしょう。発生する利息は少額となる可能性が高いため、闇金から借金する時のような法外な金利を取られる心配はありません。
返済方法については、会社の貸付制度の規定で給料との相殺も内容に含まれている場合もあるようです。基本的には法律により、返済金と給料の相殺は禁止されていますが、事前に承諾の上で貸付度を利用するのであれば給料からの天引きで返済をする必要があります。