国の融資を利用するお金の借り方
個人が利用するお金の借り方の1つに国の融資を利用する方法があります。金融機関でキャッシングする場合とで比較すると、低金利でお金を借りれるというメリットがありますし、国の融資制度であるため安心して利用できますよね。
便利な国の融資を利用するお金の借り方は意外にも多いようです。
- 国の教育ローン
- 生活福祉資金貸付制度
- 母子福祉資金貸付(父子・寡婦)
- 年金担保貸付
- 緊急小口資金貸付
- 看護師等修学資金
- 求職者支援資金融資制度
国の融資には多くの種類があるため、金欠で困った時には頼れる場面があるかも知れません。ただし、金融機関のキャッシングとは違い、国のローンは基本的に営利を目的として融資をしていません。誰もが国の融資を利用できるという訳ではないのです。
例えば、国の教育ローンと生活福祉資金貸付制度には、どんな利用条件があるのでしょうか。それぞれのお金の借り方について解説します。
国の教育ローンからのお金の借り方とは
教育費の捻出に困った時のお金の借り方は銀行の教育ローンや日本学生支援機構の奨学金(参考:日本学生支援機構「奨学金」)などだけではありません。国の融資制度にも「国の教育ローン」があって、利用可能額は最大350万円、金利は1.81%(母子・父子家庭・所得が一定額以下の場合などは1.41%)という低金利となっています。
奨学金との併用も可能であり、大学・短大だけでなく専門学校・高校の資金でも利用可能です。返済は通常で最長15年(一部では18年)以内となりますが、在学期間中の返済では元金の据置も可能となっているため、安心して借り入れができるというメリットもあるのです。
実際に国の教育ローンが利用できる先は「株式会社日本政策金融公庫」となるため、一見して普通の会社のように思えるかも知れませんが、国が100%の出資をしているため実質的に国のローンということになります。
国の教育ローンのお金の借り方については、まず初めに申し込みをすることから始まりますが、インターネットからの申し込みも可能になっています。具体的な申込みの流れについては以下の通りです。
- メールアドレスの登録
- 返信メールにあるURLから申し込みフォームへ進み必要項目の入力
- 申し込み後に届くメールに従い必要書類のプリントアウト、記入・押印の上で必要書類を添付して郵送
- 審査
- 郵送での審査結果の連絡(申し込みから10日前後)
- 契約書類が送付される(記入・押印をして印鑑証明書を添付して返送)
- 融資の実行(申し込み完了から20日程度で振り込み)
このように国の融資制度は、インターネットでの申し込みが可能ではありますが、その後の手続きについては郵便を利用する必要があることから、多くの手順が必要となるのです。
即日融資でのお金の借り方は不可であるため、ある程度の余裕を持って申し込みする必要があります。国の教育ローンの利用には一定の条件があるので以下を確認してみてください。
国の教育ローンを利用できる方の条件とは?
国の教育ローンを利用する場合、関係してくるのが世帯年収(所得)です。銀行の教育ローンを利用する場合には、年収が多ければ多いほど審査に通りやすい人となれるのですが、国の融資制度でお金の借り方のポイントとなるのは「年収が利用可能となる上限の金額を超えないこと」となるんです。
国の教育ローンは年収が200万円以下の場合には金利の優遇もあることから、比較的低所得の世帯が融資の対象となれる制度と言えます。
具体的な所得の上限金額については、子供の数に対する世帯年収が基準になっているんです。
- 1人:790万円
- 2人:890万円
- 3人:990万円
- 4人:1,090万円
- 5人:1,190万円
国の教育ローンの使い道とは?
国の教育ローンのお金の借り方の条件には資金の使い道についても決まりがあります。ただし、学費に関する使途ならば多くの目的で利用ができるようになっているのです。
- 入学金・授業料・施設設備費などの学校納付金
- 受験料・入試の際の交通費・宿泊費
- 在学のための家賃や賃貸契約に必要な費用
- 教科書代・教材費・パソコン購入費用・通学費・修学旅行費用
- 国民年金保険証など
生活福祉資金貸付制度からのお金の借り方とは
都道府県社会福祉協議会の取扱う「生活福祉資金貸付制度」は、国の政策の一部ともなっていて厚生労働省のホームページ(厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」)にも記載されていることから、国からのお金の借り方の1つということになります。
生活福祉資金貸付制度の利用対象となるのは、以下のような方となります。
- 低所得者世帯:必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)
- 障害者世帯;身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた方がいるの世帯
- 高齢者世帯:65歳以上の高齢者がいる世帯
このような条件のいずれかに該当する場合に制度融資の利用が可能になるのですが、実際に生活福祉資金貸付制度には4つの種類があるのです。
- 総合支援資金
- 福祉資金
- 教育支援資金
- 不動産担保型生活資金
総合支援資金
総合支援資金には3つの資金があります。保証人がいれば無利子で借りれますし、保証人なしでも金利は1.5%という低金利です。最終貸付日から6か月間の返済の据置期間もあり、その後は最大10年以内で返済していくことができます。
具体的に総合支援資金には3つの資金があり、生活の基盤を整えるために必要となる主な費用となっています。
- 生活支援費:生活再建までに必要になる生活費
- 住宅入居費:入居の際の敷金・礼金などにかかる費用
- 一時生活再建費:一時的に必要となる技能習得費用・公共料金の立替え・債務整理のための費用など
福祉資金
福祉資金は生活を営むために必要となる経費や緊急で必要となる少額の費用の融資に利用できる資金であり、2つの資金で構成されているんです。最終貸付日から6カ月間の据置期間があり、その後は20年以内で返済をしていくことになります。
金利は保証人なしで1.5%、保証人がいる場合では無利子となっていて、以下のように2つの資金が用意されています。
- 福祉費:最大580万円まで、技能習得・住宅の増改築・福祉用具の購入・冠婚葬祭・災害で必要な資金など
- 緊急小口資金:緊急かつ一時的に必要となる生計維持のための資金
福祉資金はこのような資金に利用することが可能になっています。福祉費については上記の他にも多くの用途がありますが、資金使途により上限が決められています。(参考:厚生労働省「福祉費対象経費の上限目安額等」)
教育支援資金
国の教育ローンの他にも教育費の借り入れができるのが、生活福祉資金貸付制度の教育支援資金です。低所得者世帯を対象にした融資となりますが、高校から大学までの通学や入学に必要となる資金を借りることができます。
返済は卒業後6か月の据置期間があり、その後の返済期間は20年間となるのです。金利は無利子となっているので安心ですが、連帯借受人が必要となります。詳しくは以下の通りです。
- 教育支援費:就学に必要な費用(3.5万円〜6.5万円まで・学校により異なる)
- 就学支度費:入学に必要な費用(50万円以内)
不動産担保型生活資金
一定の住居用不動産を担保として融資を受けることができるのが、不動担保型生活資金です。利用可能となる金額は土地の評価額の70%程度となりますが、それぞれの資金により異なるため問合せなどによる確認が必要です。
返済には3ヶ月の据置期間があり、金利は年3%、または長期プライムレートの内低い方の金利が適用されるため、安心して利用ができるでしょう。
不動産担保型生活資金で実際に利用できる資金は以下の2種類となっています。
- 不動産担保型生活資金:低所得の高齢者世帯を対象に一定の居住用不動産を担保に生活資金を借りれる資金(保証人には推定相続人となる方が必要)
- 要保護世帯向け不動産担保型生活資金:要保護の高齢者世帯を対象に一定の居住用不動産を担保に生活資金を借りれる資金(保証人不要)